高校時代は漫画研究部という部活に入部しており作品の制作を行っていました。その中でもコンクールへの参加について紹介します。
前提
漫画研究部では部活名のとおりイラストや漫画の制作を行う部活です。文化祭時に作品の展示を行うほか、部活動の一環として毎年まんが王国・土佐が主催として開催されている「まんが甲子園」と「世界まんがセンバツ」に作品を応募することになっていました。
まんが甲子園(正式名称:全国高等学校漫画選手権大会)は平成4年(1992年)に始まった、全国の高校生を対象とした「1枚まんが」の競技大会です。
これまで30回以上の開催実績があり、海外校も含め350校以上が参加したこともある大きな大会です。
参加生徒は「高校ペン児」の愛称で呼ばれ、出題されたテーマに沿ってまんがを描きます。
予選を勝ち抜いたペン児は、毎年8月に行われる本選大会(高知市)に集結し、新たに出題されたテーマを、限られた時間内でB2大のパネルに描き、競い合います。
また、出版社によるスカウト制度もあり、新人漫画家の発掘にも力を入れ、デビューへの新たな登竜門となっています。
世界まんがセンバツは、年齢を問わない「フリー部門」、「高校生向け部門」、新たに設けられた「アンダー15」部門などがあり各部門ごとに出されたテーマに沿った1枚漫画を描くものです。このコンクールは毎年12月頃にあります。
まんが甲子園は予選通過後、高知県で再び漫画を描かないといけないのに対して世界まんがセンバツは予選通過した作品をそのまま最終選考でも審査で使用されるため参加するための敷居はかなり低くなっています。また、まんが甲子園は部内で1つしか作品が出せないのに対して各部員1つ提出できるというのも魅力です。
どちらのコンクールでも最優秀賞に選ばれると賞金やその他にも豪華な景品がもらえます。
1年生時
ではここから私が実際に制作した作品を紹介します。1年時は入部したばっかりということもあり、世界まんがセンバツのみの参加でした。

世界まんがセンバツの作品
(テーマ:新記録)
「新記録」というテーマということで私は大会に臨む女の子を描きました。この作品の制作は全てアナログで行いました。コマ枠、線画、ふきだし(文字も含めて)はSARASAのボールペン。色付けはコピックを使用しました。
初めてのカラー漫画の制作ということもあり、色の置き方に特に苦戦しました。人物の色塗りは鬼滅の刃の作者である吾峠呼世晴先生の塗り方を参考にして制作しました。(一番強く光が当たっている部分は白抜きにしている点等)
今見るとつたない作品ですが当初は漫画のコンクールに初めて応募するのもありとても楽しんで政策に取り組んでいました。
2年生時
2年時は私の部活動での取り組み姿勢が評価され、まんが甲子園の作品制作を顧問の先生から任されました。また、前年度同様世界まんがセンバツへの出品も行いました。

まんが甲子園の作品
(テーマ:ナゾ)
この年のテーマは「ナゾ」というかなりアバウトなテーマだったためストーリーを考えるのに苦戦した記憶があります。今回もSARASAのボールペンとコピックを使用して制作しました。
ナゾというテーマに合わせて「詐欺に対する疑問を抱く女の子」と「女の子の言葉に対して疑問を抱く母親」というダブルミーニングでストーリーを考えました。

世界まんがセンバツの作品
(テーマ:配信)
こちらは世界まんがセンバツの作品です。この年選択したテーマは「配信」でした。この時もアナログでの制作のため、上記のまんが甲子園と同じ道具を使用して作画しました。
今まではテーマをもとに1から話を考えて作成しましたが、今回は自分の実体験をもとにストーリーを考えたため話の構成自体はすぐに完成しました。
女の子のモノクロに見えていた世界が配信を見たことで新たな価値観を得て無限の色に染まっていく様子を表現しました。
この作品は予選を突破し、最終選考まで行くことができた作品でした。賞には選ばれませんでしたが、当時は「この作品を描いてよかった」と強く感じました。
3年生時
三年生の時もまんが甲子園の作品はストーリーから作画まですべて私が担当しました。そして、世界まんがセンバツの方の作品は今までと違いデジタルでの作成を行いました。

まんが甲子園の作品
(テーマ:脱出)
最後のまんが甲子園の作品はテーマは脱出を選択しました。
まんが甲子園の過去の優秀な作品を見ると童話や昔話をもとに話を考えられた作品もあったため私も桃太郎の話をもとに脱出というテーマに沿った作品を制作しました。
冒頭2コマのちびキャラを使用した緩めのタッチからオチの迫真の表情で桃から出てくる赤ちゃんの作画のギャップでインパクトが出るようにしました。

世界まんがセンバツの作品
(テーマ:哲学)
デジタルで作成した世界まんがセンバツの作品は今まで選んできた高校生部門とは違いフリー部門の「哲学」の方を選択しました。
前年度のまんが甲子園と同じようにぼんやりとしたテーマだったためかなり苦戦しましたが、シュミレーション仮説という哲学をもとにストーリー構成を考えました。
制作するにあたってアナログでは難しいPC画面の輝きや3コマ目に使用した回想によく使用される白い線を入れたりといった表現も使用して全体のクオリティを上げました。
※シュミレーション仮説:「私たちが住むこの現実世界は、実は未来の高度な文明や知的生命体によって作られた、非常に精巧なコンピュータ・シミュレーション(仮想現実)なのではないか?」という哲学的な考え方・仮説のこと。
部活動で経験したこの2つのコンクールは今まで小学生や中学生の時に参加していたコンクールとは違って世界中の様々な年代の人が参加するものだったため賞に選ばれることは難しくできませんでしたが、与えられたテーマをもとに話を考えることで自分の想像力を鍛えることができたと感じています。

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